「Fiat Uno」

その車 3
前述したように Uno は現在(2011年)の車と異なり、外形サイズに比して、車内有効空間が広い設計です
 装備は必要にして十分。この車はクラッシックとの境界にいる車なのでエアコン(クーラー)とパワーウィンドはついてません(オプション設定)。まあ、故障箇所を減らした、としておきましょう(笑)
 駐車場のチケットを取るときだけ問題になりますが、車幅が狭いので車を降りなくてもなんとかなります。それでも ETC はありがたいですが...
トレイ形状のダッシュボード。窓の下端まで簡単に拭くことができる親切設計(笑)。ダッシュボードの前端のバーはソフトパッド入り。バーに引っ掛けるように設置する灰皿は同時代の Panda と共通。Panda ではダッシュボード下のトレイに設置します。灰皿の共用は 現行 500 でも行われています。こちらはドリンクホルダーに差し込むタイプ
足下も広々。クーラー付きでもダッシュボード最下段に小さなコントローラーが設置される程度
ジュジャーロならではのサテライトスイッチ。ライトスイッチ(左側)とワイパー(右)は大きめのトグルスイッチタイプ。デフロッサー、ハザード用のボタン式スイッチ。この車はタコメーター付き。Selecta はタコメーターと同じ大きさの時計がついて便利
内装はフルトリムで鉄板は見えません。シートは年式とグレードによってバリエーションがあります。この年式はヘッドレストまで布張り。ざっくりした生地で柔らかめのクッション。まあ経年劣化ってこともありますが(笑)
 当時は座面の高さが印象的で「椅子に腰掛ける」という表現が適当でしたが、現在では低めになってしまいました。
イタリア車のシート生地って凝ってるなぁと思うんですが、皮がメインのフェラーリ、アルファ、マセと異なり、フィアットは特に凝ってると思います。この車は当時のフィアットマークが織り込まれています。
 以前乗っていた Selecta(恐らく 60S 系)はグレーベースの生地に赤や青の糸が織り込まれて全体に青っぽいグレーに見えるものでした
先述したようにほぼ同じ長さの初代ヴィッツより荷室の奥行きが長く、トノカバーは1.5 倍ほどの大きさです
 後席シートバックを倒し、座面を上げることで広大(笑)な空間ができあがります。ダブルフォールディングタイプシートはシートの厚みの分、荷室奥行きが短くなりますが、荷物が前席にぶつからずにすみ、急ブレーキ時には荷物の突出から保護できます。
(見えてませんが)スペアタイヤはテンパータイヤではなく、通常サイズです。これが収まることだけ考えても荷室が広いことがわかります。
5 ドアなので後ドアからもアクセスできて便利。荷室にしたときの高さも十分です。
ジュジャーロも Uno の後継たる Punto では A ピラーをかなり寝かせており、前席ヘッドルームが縮小、グランデプントとなると前席窓は台形と言うより三角形に近い形になり、座席位置が後ろに下がります。これはスタイルの進化がユーティリティの後退を促す例の一つではないでしょうか?
 現代の車は、寝かされたフロントスクリーンと滑らかにつながれた屋根を実現するためのスタイリングと有効室内長の確保を両立するためにボディが拡大しています(安全マージンも含むでしょうが)。このことは取り回しの悪化を招きます。Uno を見れば誰もが「古くさい」と評するでしょう。しかし、現代の車のスタイリングが進化したとは言っても車としてのデザインは果たして進化したと言えるのでしょうか?

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